恋愛×リベンジ!良作ラブコメアニメ「政宗くんのリベンジ」の感想
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世の中にラブコメは数あれど、「リベンジ」がテーマとなった
ラブコメとなると、限られてきます。
今日は、恋愛とリベンジが絶妙なハーモニーを生み出す
「政宗くんのリベンジ」の感想を書いていきます。
(※以下、ネタバレがありますので注意してください)
主人公の真壁政宗がリベンジしようと思った経緯
話は小学校時代に遡ります。いじめられっ子だった真壁政宗は、
仲良くなった令嬢の安達垣愛姫に想いを告げますが、
「豚足」というあだ名を付けられた上で振られます。
彼は生まれ変わることを決心して、故郷を去ります。
そして、太った体型から脱却するため、タイヤを
つけて走り続けたり、筋力トレーニングをしたり
ダイエットしたりして、見事に別人になります。
そして8年後。
苗字さえも祖父のものに変えて、完全な別人になって
彼は故郷へと帰って来ました。
完璧な食事制限と筋トレで激ヤセした彼は、
見た目だけでなく勉強もスポーツも完璧な超イケメンです。
ここまでした理由はたった一つ。
「自分に酷いあだ名を付けて振った女」を
「自分に惚れさせた上で振る」ためです。
ラブコメは他にもたくさんありますし、それはそれで
楽しいのですが、このアニメの設定は、その設定を
聞いただけで身震いするような素晴らしいものです。
まるで、第二次世界大戦末期の軍人たちが、記憶を持ったまま
40年弱過去へ転生する小説&漫画&OVAの「紺碧の艦隊」にて、
ただ勝つために戦うのかと思いきや、メインキャラクター
大高弥三郎が「良き負け」を目標に掲げているように、
そこにはキャラクターの想いやストーリーへの
深みが生まれます。
設定や流れに一ひねり加えることで、全く違う
展開や魅力がその作品に生まれるのです。
「恋人の振り」をする漫画&アニメの「ニセコイ」や、
「夫婦の振り」をする漫画&ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」も
そういった工夫で売れた作品です。
「残虐姫」をはじめとする、魅力的なキャラ設定
主人公のリベンジが成功するかどうか!?
というのが一番の見所なのですが、
このアニメの魅力はそれだけではありません。
リベンジを盛り上げるために、そしてそれだけでなく、
その設定単体でも楽しめるような、素晴らしいキャラ設定が
いくつもされています。
まず、高校に転校してきた真壁政宗がリベンジ相手に
見据えている安達垣愛姫は、学内一の美少女。
それゆえ、男子生徒たち告白されまくるものの、全て酷いあだ名を
付けた上で振るので、「残虐姫」と呼ばれています。
大の男嫌いの彼女は、とにかく、ここまでするか、というくらい、
男に対して容赦なく冷たく、多くの男の心を傷つけます。
ここで、視聴者は、「是非とも主人公にリベンジして欲しい!」
と、自然と主人公を応援する気持ちになります。
・・・なのですが、実は、安達垣愛姫はお昼ごはんはぼっち飯で
(正確には、食べ物や飲み物をパシりさせられている
使用人の小岩井吉乃が一緒にいるときはぼっちではないですが)、
さらにどれだけ食べてもお腹が満たされないくらいの大食いです。
さらに、「初デートはこの格好で」と、簡単に騙されて魔法少女の
コスプレでデートに来てしまうなど、世間知らずだったりします。
ここら辺から、視聴者にとっては、単なるリベンジの対象ではなく、
「抜けてる」「天然」「可愛い」という評価が上がり始めます。
また、安達垣愛姫の使用人であり、真壁政宗の過去を知る数少ない
人物として描かれる小岩井吉乃は、見た目は従順で大人しそうな
感じですが、実は腹黒で、裏ではかなり辛辣な物言いです。
そのギャップがまたたまらない人にはたまらないでしょう。
普通の恋愛要素もある・・・が、そうは問屋が卸さない
完璧イケメンの主人公は、普通の女の子なら、すぐに
恋に落としてしまえます(妹の少女マンガがセリフのソース
であるが故に、クサすぎたりしますが、それでも受け入れられる
くらいのイケメンなのです)。
ですが、安達垣愛姫だけには、うざったく扱われ、
何度アプローチしても敬遠されていました。
ですが、使用人の小岩井吉乃の手助けと、自分の危険を顧みずに
何度もヒロインを救うことで、安達垣も徐々に心を開いていきます。
そんなヒロインの「デレ」を見て、つい、心が動きそうに
なってしまう主人公ですが、「自分の目的を忘れるな!」と、
リベンジのために、要らない感情は切り捨てて前に進みます。
また、主人公の見た目だけで勝手に恋に落ちていた大多数の女子と違い、
主人公の優しさに触れて恋に落ちたクラスの委員長の可愛い女の子に
デートに誘われた際は、これまた心が動きますが、
安達垣へのリベンジのために断ります。
視聴者としては、「もったいない!」と思いつつも、そこでハッピー
エンドになってしまっては、物語として面白くないわけで(笑)
また、少しずつ距離が近付いて、安達垣が主人公に惚れたか!?
と思いきや、謎の美少女が主人公に接近し、これまた修羅場に
なってしまって、元の木阿弥です。
安達垣がデレようが、可愛い仕草や表情をしようが、
グッと我慢してリベンジのために冷徹になろうとする主人公。
どんな美少女が近付いてきても、リベンジのために心で
泣きながら振る主人公。
そんな鋼の意思を持つ主人公を応援せずにはいられません。
そして、少しずつ全体に散らされている恋愛要素も楽しめます。
まとめ
タイトルで損をしているアニメも意外と多い中、
このアニメは、とてもストレートなタイトルで、
中身も予想に反しない、面白くて飽きないラブコメです。
可愛いヒロインたちを楽しみつつ、しかし、リベンジに燃える
主人公を応援したくなる。
そんな、場合によっては相反してもおかしくない
二つの要素がバランス良く収まっている良作です。